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  • 執筆者の写真胡麻と栗太郎

価値が保証されている ~金(ゴールド)~

更新日:2019年2月21日

この記事で分かること

  • ゴールドの物質としての価値

  • 希少性の高さからみた価値

  • 経済・政治の観点からみた価値



 以上3つ、ゴールドの異なる価値と


  • ゴールドの価格変動


 これらゴールドの特徴を記事にまとめています。



prologue

ゴールドってどんな物?


 資産運用の中にはゴールドやプラチナなどの実物資産があります。



 ゴールドやプラチナなど貴金属は腐食せず


 その輝きは永遠に続きます。



 だからこそ、貴金属としての価値は下がりにくく


 長期的な財産保全として注目されます。



 腐食しない特性と、電気伝導率の高さから


 工業製品の部品に用いられることもあります。



 また、アクセサリーのような装飾品とし用いられることも多く


 その価値は美術品としても発揮されます。



 ここでは、現物資産としてのゴールドの価値を物量・歴史から


 簡単に記事にまとめました。


金は主に金地金(インゴット)、金貨、装飾品として出回っています。写真は金地金(インゴット)です。


ゴールドは地球上でどれくらいあるのか?

  

量が少ないから価値が高い


 ゴールドは希少性が高く、2018年の時点で


 わずか 約183,600トン しか採掘されていません。



 この量は東京ドームと同じ大きさの山が 2.8個分 と、かなりの少なさです。



 しかし、まだ採掘(マイニング)されていない埋蔵量はこの倍以上はあります。



 その採掘にかかる費用、手間が希少性を高める起因にもなっています。




流動性の低さがゴールドの価値を高めている


 世界一ゴールドを保有している国でもある、米国連邦準備制度理事会


 (通称FRB、米国の中央銀行)は2018年の時点で6,700トンのゴールドを保有



 一番多い時期で 12,000トン 以上のゴールドを保有していました。



 日銀(日本の中央銀行)は 765トン


 比較するとアメリカの 約10分の1 のゴールドを保有しています。



 これは、世界では 10位 の保有量であり


 日本は先進国の中では金の保有量がかなり少ないです。



 現在地球上で採掘されているゴールドの 49% は宝飾品として用いられています。




簡単にまとめると

  • 量の少なさとマイニングコストがゴールドの価値を底上げしている

  • アメリカのゴールド保有量は世界NO.1

  • 日本のゴールド保有量は世界10位とかなり少ない




ゴールドにまつわる歴史

 

古来より人を魅了していた


 ゴールドの歴史はとても古く


 今から6000年以上遡った古代エジプト文明では


 ゴールドを用いた宝飾品が多く作られていました。



 有名な物で言えば、ツタンカーメン王の黄金マスクはゴールドで作られています。




つまり、ゴールドは汎用性が高い


 記事の冒頭で述べたように、ゴールドは腐食せず


 薄くの延ばしたり加工に適し、何よりも輝きが宝飾品として適してるため


 あらゆる人にとって共通する価値をゴールドは持っています。



 以上のことから、ゴールドにまつわるこんな政策が過去にありました。




~ 金本位制(きんほんいせい) ~


 紙幣は紙でできています。



 本来、価値が低いはずの紙幣ですが


 ゴールドはその変わらない価値によって


 通貨の価値を保証する役割を果たしました。



 たとえば、ゴールドを銀行に預け


 預けたゴールドを引き取るための引換券を銀行から受け取ります。



 すると、その引換券は預けたゴールドの分だけの


 価値を持つ紙幣としての役割を持ちます


 

 ゴールドは何とでも交換可能であり


 通貨としての役割がゴールドにはありましたので


 金本位制の導入以前には


 ゴールドを金貨や鋳貨として流通させていた国や時代もあります



 現代における売り買いには


 貴金属ではなく紙幣(10円~500円は銅貨や銀貨など)が中心となっておりますが


 紙幣の価値はゴールドに基づく物であったと言えるでしょう。




金本位制の歴史


 1816年、イギリスの貨幣法における貨幣に価値を保証するために


 イギリスは同年、金本位制を世界で初めて制定


 19世期末、世界中で金本位制が成立します。



 1914年の第一次世界大戦


 1929年の世界大恐慌によって金本位制は破綻します。



 アメリカ、日本、イギリス、ポルトガルや北欧諸国は金本位制を停止しましたが



 一方でフランス、オランダ、ベルギーなどの国は


 金ブロックという経済圏を形成し、金本位制を続けました。




短く要約すると

  • 紙幣の価値はゴールドに紐づいていた

  • イギリスが初めて金本位制を制定

  • 金本位制は停止を繰り返し、今は破綻



 現代では金本位制は廃止され、変動相場制が世界的に制定されています。




金の価値はどうしたら上がるの?

 金の価値が上がったり下がったりするのはどんな時か


 簡単にまとめました!



ゴールドとドルの関係


 世界経済の大きな部分がドルとドル資産に依存していることから


 ドル安になれば資産価値が減り


 投機マネーはヘッジ先として他の通貨や資産を探すことになります。

 


 そのひとつのヘッジ先としてゴールドがあります。



 1985年、当時のG5による外国為替市場への協調介入


 いわゆるプラザ合意によって連続的にドルが下落


 一方逆に金価格は上昇を続けるという現象が起きました。

 (※プラザ合意はいずれ別記事にまとめます!)



 これによって、金価格の変動を説明する一般的解釈に


 「ドルと金価格の逆相関性」が多用されるようになりました。


 実際には必ず逆相関性が見られるとは限りません。




様々な要因が絡み合って価値は変動します


 2008年には世界的な金融危機発生時のドル下落時においては


 ヘッジファンドの大規模な参入による、損失補填のため


 一時的な換金売りによる金価格の下落なども見られました。



 近年ではFRBの度重なる追加利上げによって


 ドル高となるたび金価格に一時的な下落が見られることもありました。



 今後は金市場において従来のリスクヘッジを求めて


 短期的な収益を求める投資家だけでなく


 長期的な収益を求める投資家もますます増加します。



 よって単純な逆相関性の図式では説明できない事象も見込めることと思われます。




epilogue

金をもっと身近に


 現代における貴金属の財産評価はとても高いです。



 金は土地や車などと違い固定資産税がかからず


 「有事の金」と言われるほど安定資産として知られています。



 インカムゲインが期待できない分


 金におけるキャピタルゲインはとても有用です。





 その有用さからドルや円に限らず


 様々な通貨や資産のヘッジ先に選ばれています。



 現代までその価値を損なわずにあり続ける金は


 もっと身近な物であると認識を改める必要があるでしょう。

 

【参考】

World Gold Council - Gold facts

一般社団法人 日本金地金流通協会 - 貴金属市場の動向

株式会社東京商品取引所 - 取引ガイド

高橋靖夫著 - 金本位制復活!

川上孝夫著 - 国際金融史

 

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